28歳の未練なしで死んだ俺、異世界最強を目指す 総集編1
たった28年の人生に、未練はなかった。
規則的に鳴り響く心電図のビープ音だけが、俺がまだ生きていることを証明していた。
「不治の病」
そんな悲劇のヒロインみたいな肩書きが俺の人生の終着点だった。
宣告された時はそれなりに絶望して、神とやらを呪い殺してやろうとも思った。
けど、人間は死が近づくと驚くほどに感情が平坦になるものらしい。
恋愛したりとか、遊んだりとか、
そういうのをしたかったわけでもない。
けど…。
28年。
短いようで長い人生だった。
依夜「お疲れ様…俺…」
誰にも聞こえないその声を、最後の吐息に乗せた。
そして目を閉じた。
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ん…?
レンガの壁…?
どこだここ…。
早く起き上がってどこなのか確認しないと…。
俺は外に出るためにドアを開けた。
そして目の前に広がったのは…。
依夜「おおおおおおおぉぉぉぉ!すげええええええっ!」
大きな時計台、城、レンガと木でできた建物ッ…!
……………ってこれ…。
依夜「異世界かよおおおおおおおお!!!!!!!!!」
俺が叫んだ瞬間、みんなの視線は俺に集まった。
くそ…どうなってるんだ…?
俺はさっき死んで…。
俺は混乱していた。
だって死んで何故か目が覚めて見知らぬ場所に飛ばされたんだ。そりゃあ混乱するわ。
これはラノベとかでよく見る異世界転生みたいなやつなのか…?
だとしたらちょっとやばくないか…?
依夜「けど、ここで焦ってても何もならない…とりあえずこの街を探索してみよう」
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ナイトメア帝国の会議にて
???「…これが時空の歪みによって、「ジュエルス王国」に現れた特異点です。そして…」
報告を行ったのは幹部、バルザック
ゴールド「ただの迷い人か?みたところ魔力も装備も皆無。我が帝国の脅威になるとは思えんが」
バルザック「しかし、この者から出ているエネルギー量が最大値を上回っている」
ゴールド「なにっ!?こいつがそこまで強いわけないだろう!俺は認めないぞ!」
バルザック「落ち着けゴールド。彼自身の意識はまだ覚醒していない。つまり己の力に気づいていないようだ」
アルファ「そうよゴールド。それに、覚醒する前に倒してしまえばいいのだから」
するとアルファは空間転移(テレポート)で消えた。
バルザック「あいつは本当にマイペースだな…」
ゴールド「…俺も失礼させてもらうよ」
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依夜「結構大きい街なんだな…」
ジュエルス王国
この国の名前らしい。
結構発展した街なんだけど…。
でも生涯ここで暮らしていくってなると不安がかなり多い。
特に転生時に10000マネーしかもらえなかったこと。
あまりにも貧相すぎる。
依夜「寝床どうすっかなぁ」
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街を探し回った結果、一泊500マネーで泊まれる格安のホテルを見つけた。
俺は500マネーを支払って部屋に入った。
依夜「ビジネスホテルっぽい感じのホテルだな」
ここをしばらく拠点にすることになった。
依夜「そういえばここって異世界なんだよね?ならステータスとか見れるのかな」
すると目の前に大きなホログラムモニターが現れた。
『ステータス』
体力 100
攻撃 50
耐久 60
『スキル』
パンチ
キック
回避
『所持金』
9500マネー
『ランク』
Hランク
依夜「明らかに異世界にきてすぐのステータスだな」
俺はベットに腰をかけた。
依夜「スキルは『パンチ』と『キック』と『回避』だけか…これじゃゴブリン1匹倒せるかどうか…」
するとモニターの広告に一枚の写真が映る。
『元最強勇者が特訓屋をオープン 1時間1000マネー』
俺はこの広告を見て閃いた。
依夜「そうだ!ここで金が底をつくまで特訓して、強くなったら魔物退治で金を稼ごう!そうと決まれば今すぐに出発だ!」
俺はすぐにホテルを出た。
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依夜「元最強勇者の特訓屋…!ここだ!」
見た目は完全に道場みたいな感じ。
俺は道場?のドアを開けた。
そこに立っていたのは、刀を持った、小柄で、紫の短髪の…
可愛い女の子!
依夜「あの〜すいませ〜ん」
???「1時間1000マネー、先払いだけどどうする?」
依夜「えっ、あ…2時間お願いします!」
俺は2000マネーを払った。
???「じゃあその剣の中から一本選んで」
目の前に机に並んだのは7つの剣だった。
剣を一つずつ見て回った。
どれも同じような見た目だけど、全部能力が違うらしい。
それと選んだものはもらえると女の子が言っていた。
結果、俺は氷剣を選んだ。
俺が剣を握ると剣に冷気があらわれた。
依夜「ふっ…あれが最強勇者だって?ただの子供じゃないか…」
???「早くかかってきなさいよ」
ふっ、ボコボコにしてやるぜ…!
俺は剣を構えて女の子に飛びかかった。
ヒュンッ…
しかし女の子は目の前で消えた。
依夜「えっ…あの子どこに…!」
俺はすぐに辺りを見渡した。
…どこにもいない。
???「後ろだよ…!」
ガンッ!
俺はその場に倒れた。
作者「急展開ですいません!」
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俺がぶっ倒れて目が覚めた後。
休憩中、俺は女の子に名前を聞いてみた。
依夜「あの…君の名前は…?」
花蓮「私の名前は白崎花蓮。元Sランク最強勇者」
やっぱり…でもなんでこんな小柄な子供が元最強勇者…?
依夜「君の年齢は…?」
花蓮「29歳」
年上だったああっ!
花蓮「私の血には、数千年生きると言われている亜人の血が混じってるの。だからその分、成長が遅れてるの」
そうなのか…。
この子も色々あるんだな…。
依夜「よし!もう一回だ!」
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俺は何度も花蓮に勝負を挑んだ。
そして散った。
どうやっても勝てないと思った。
けど…
技の入れ方 間合い タイミング
色々と試行錯誤をした結果…
128回目の勝負。
俺は剣を構えた。
そして花蓮に正面から突っ込んだ。
花蓮「いつになったら学ぶのかしらね、正面からじゃ勝てない」
花蓮が俺に刀を振り下ろそうとした時。
依夜「それはどうかな…!」
俺は体を捻りカレンの後ろに回り込んだ。
そして技を放った。
依夜「氷柱乱華!」
俺の周りに氷柱が現れ、花蓮に突撃していった。
しかし全て刀で薙ぎ払われてしまう。
その時。
花蓮の背後をとった。
そう、氷柱乱華は囮だったんだよ。
よし!このままだと花蓮が刀を振るのが間に合わないはず!
依夜「必殺!白夜・霜時雨!」
俺は剣を大きく振り斬撃を放った。
斬撃は花蓮にまっすぐ向かい…
バゴォン!
花蓮「がはっ!」
花蓮は吹き飛ばされ壁に激突した。
依夜「やった…!勝った!ついに!勝ったあああ!」
元最強勇者に勝てたのが信じられない。
俺が喜んでいると目の前にホログラムモニターが現れる。
『ステータス』
体力 270
攻撃 500
耐久 400
『スキル』
氷柱乱華
白夜・霧時雨
斬撃
回避
『マネー』
7500マネー
『ランク』
Cランク
…?強くなりすぎじゃない?
花蓮「お見事だよ」
依夜「うわあ!花蓮さん!あっ!あ、ありがとうございました!」
その時彼女は初めて笑顔を見せた。
依夜「って!花蓮さん!口から血出てますよ!」
花蓮「これくらいどうってことないよ!」
というか…俺の必殺技喰らってよく生きてたな…。普通の人だったらもう死んでるだろ…。
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依夜「いやー、まさかあそこまで強くなれるとはねぇ」
結構早く花蓮を倒せたから、出費も2000マネーで済んだ。
そして色々あって魔物退治の仕事についた!
クリスタルフォレスト
依夜「そこら中に宝石の木が生えてる…」
俺は森を歩き回った。
すると…。
ガサッ…
依夜「おっと?敵かな?」
草むらからスライムとゴブリンが現れた。
依夜「というか…これが初めての魔物との戦いか…」
ゴブリン「グオオオオ!」
カチャッ…
俺は腰から剣を抜いた。
依夜「ふぅー…」
俺は呼吸を整え、剣を構えた。
依夜「白夜・霧時雨 乱れ裂き!」
剣を何度も左右に振り、斬撃を飛ばした。
ズシャッ!
顔に返り血が飛び散る。
依夜「アドリブで技アレンジしてみたけどここまで上手く行くことあるのか…」
ホログラムモニター
『ステータス』
体力 500
攻撃 700
耐久 600
よし!ステータス上がった!
依夜「この調子でどんどん倒すぞ!」
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ナイトメア帝国
バルザック「ナイトメア様。何か用事でも?」
魔王ナイトメア、ナイトメア帝国最強の魔王だ。
ナイトメア「バルザック。お前何か隠してないか?」
バルザック「とんでもない。そんなわけないでしょう」
するとナイトメアは懐から何かを取り出す。
ナイトメア「じゃあなぜ我らの最高友好国、エレメンタリア王国との同盟解約書があるのだ?」
バルザックはナイトメアを睨みつけた。
バルザック「…邪魔なんですよ、あなたが。世間的に変な感じで見られているあなたを殺せば私の評価が爆上がりするんですよ…!」
ナイトメア「そうですか」
ナイトメア「ならあなたには死んでもらいましょうか」
ナイトメアは呪文を発動した。
ナイトメア「心臓を爆散せよ (ブレイクザハーツ)」
グチャッ
バルザック「ガアッ!」
バルザックは大量の血を吐いた。
ドサッ…
ナイトメア「さすがのバルザックでも、心臓が爆散したら死にますよね」
ナイトメアはバルザックの死体を眺めていた。
するとゴールドが部屋に入ってきた。
ゴールド「やりすぎじゃないですか?ナイトメア様」
ナイトメア「裏切り者は殺すしかないだろ?ゴールド」
ゴールド「やっぱり野蛮ですね…ナイトメア様は」
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依夜「これでざっと500体くらいか…」
みんな弱いなぁ。
まぁ…
途中で出てきたデーモンは苦戦したけど…。
俺はさっきここに来る前に買った骨付き肉をかじった。
もぐもぐ…。
めっちゃ美味しい!!!
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アルファ「ここら辺にいるはずよね…あ!いた!ふっふっふ…背後から近づいて急所を仕留めれば…!っとその前に自分にバフをかけなきゃ」
するとアルファは呪文を唱えた。
アルファ「血塗られた子守唄!」
アルファは急降下し依夜に近づいた。
そしてアルファは足に力を込め、蹴り顔面にぶち込んだ。
しかし、依夜が避ける方が早く、アルファの蹴りは当たらなかった。
そして、依夜が剣を腰から抜き構えた。
依夜「氷柱乱華!」
俺が剣を揺らすと、俺の周りに氷柱が現れた。
そして氷柱アルファに突っ込んで行った。
誰かはわからないけど俺に攻撃をしたということは敵…これで絶対に殺せ…
ズゥン!
依夜「!?」
頭が…痛い…
なんだ?急に苦しく…
アルファ「ふふふ、残念ですね。私の呪文にかかりましたね。呪文、血塗られた子守唄は私に与えたダメージが全てあなたの心臓にダメージが入るという効果です。」
依夜「なんだそのぶっ壊れ能力…というかお前は誰なんだ!」
アルファ「申し遅れました。私は魔王アルファ」
…は?魔王早くない?
こういうのってもっと、こう、モブっぽいボスが出てくるべきじゃん。
依夜「くそっ…!」
アルファ「光よ…闇よ…」
今度はなんだ?別の呪文を唱え始めたぞ…」
アルファ「全てを等しく、無へと葬りたまへ!」
あ、これは絶対やばいやつ…
アルファ「ヴァニタスエンド!」
アルファの呪文が放たれた時
全ての音が消えた。
依夜「木と地面と空にひび割れが…。」
そこで意識が途絶えた。
アルファ「…あなたはこの世界にいれば、すぐに世界が滅びる」


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